塾で成績が上がらない原因は？親ができる対策と辞める判断基準を解説

塾に通わせているのに成績が上がらないと、お子さんをどうサポートすればいいか不安になりますよね。しかし、成績が伸び悩む原因は、お子さん自身だけでなく、塾の環境や学習方法が合っていない可能性も高いです。

この記事では、塾で成績が上がらない原因と、今すぐ家庭でできる対処法、そして塾を続けるかどうかの判断基準まで詳しく解説していきます。

塾で成績が上がらないのはなぜ？考えられる10の原因

塾に通わせているのに成績が上がらない場合、お子さま自身だけでなく、塾の環境や学習方法に原因が隠されている可能性があります。

原因を正しく特定し、それぞれに合った対策を講じることが成績アップの鍵となります。ここでは、塾で成績が上がらないときに考えられる10の原因を解説します。

• 塾の授業レベルがお子さんに合っていない
• お子さんの学力と授業内容が合っていない
• 先生との相性が良くない
• 塾の授業形式がお子さんに合っていない
• 質問できない環境や性格
• 塾に通っているだけで満足してしまっている
• 家庭学習の習慣がついていない
• そもそも勉強のやり方がわかっていない
• 明確な目標がなくモチベーションが低い
• 塾のサポート体制が不十分

ひとつずつ見ていきましょう。

原因①塾の授業レベルがお子さんに合っていない

塾で成績が上がらない原因の1つ目は、塾の授業レベルがお子さんに合っていないことです。とくに集団塾の場合、上位クラスに在籍していても、授業のスピードが速すぎたり、内容が難しすぎたりしてお子さんがついていけていない可能性があります。

逆に、授業内容が簡単すぎても、お子さんは退屈してしまい学習意欲が湧きません。お子さんの学力に対して、授業のレベルが適切かどうかをまず確認する必要があります。

原因②お子さんの学力と授業内容が合っていない

塾で成績が上がらない原因として、お子さんの学力と授業で扱う内容が合っていない点も挙げられます。たとえば、基礎が定着していないのに応用問題ばかりを解かされたり、すでに理解している単元を繰り返し解説されたりするケースです。

学力と授業内容にミスマッチがあると、学習効率は著しく低下します。お子さんが「わからない」あるいは「簡単すぎる」と感じていないか、ヒアリングしてみることが大切です。

原因③先生との相性が良くない

塾で成績が上がらない場合、先生との相性が良くないことも考えられます。指導スキルが高い先生であっても、性格的に合わなかったり、コミュニケーションがうまくとれなかったりすると、お子さんは質問しにくさを感じてしまいます。

先生に対して萎縮してしまうと、授業中にわからないことがあっても聞き返せず、結果的に理解が不十分なまま進んでしまいます。

お子さんがリラックスして授業を受けられているかは、成績を左右する重要なポイントです。

原因④塾の授業形式がお子さんに合っていない

塾で成績が上がらない4つ目の原因は、授業形式がお子さんの性格に合っていない点です。お子さんのタイプによって、合う授業形式は異なります。

向いている授業形式	お子さんの特徴
集団指導	競争心が強く、周りと切磋琢磨することで伸びる
個別指導	自分のペースでじっくり学びたい、大勢の前で質問するのが苦手

集団指導と個別指導、どちらがお子さんの性格に合っているかを見極め、最適な学習環境を選ぶことが重要です。

原因⑤質問できない環境や性格

塾で成績が上がらない原因として、質問できない環境や性格も挙げられます。疑問点をその場で解消できないと、苦手意識が積み重なり、成績不振につながってしまいます。

原因の側面	具体例
環境的な要因	授業後に質問の列ができている、先生が忙しそうで話しかけにくい
性格的な要因	内気な性格で「わからない」と伝えるのが苦手

お子さんが質問しやすい雰囲気があるか、また、性格的に質問が難しい場合は個別に対応してくれるかどうかも確認しましょう。

原因⑥塾に通っているだけで満足してしまっている

塾で成績が上がらない場合、お子さんが塾に通っているだけで満足してしまっている可能性もあります。「塾に行っているから大丈夫」という安心感から、授業内容を身につけるための復習や宿題をおろそかにしてしまうケースです。

塾はあくまで学習をサポートする場であり、成績を上げるためには家庭での主体的な学習が欠かせません。受け身の姿勢になっていないか、学習への取り組み方を確認する必要があります。

原因⑦家庭学習の習慣がついていない

塾で成績が上がらない原因として、家庭学習の習慣がついていない点も考えられます。塾の時間だけ勉強し、それ以外の日はまったく机に向かわないという状況では、学習内容を定着させるのは困難です。

とくに小学生や中学生の場合、学習習慣が確立されていないケースが多く見られます。「毎日決まった時間に勉強する」「学校から帰ったらまず宿題をする」といったルール作りが、成績向上の土台となります。

原因⑧そもそも勉強のやり方がわかっていない

塾で成績が上がらない原因の8つ目は、お子さん自身が正しい勉強のやり方をわかっていないことです。以下のような学習の基本的な進め方を理解していないと、どれだけ時間をかけても成果にはつながりにくいです。

• 要点をまとめるノートの取り方
• 効率的な暗記の仕方
• 問題集の進め方や復習のタイミング

塾の先生が個々の学習方法まで細かく指導できていない場合、お子さんは非効率な勉強を続けてしまうことになります。

原因⑨明確な目標がなくモチベーションが低い

明確な目標がなくモチベーションが低いことも、塾で成績が上がらない原因のひとつです。「何のために勉強するのか」がわからないまま、ただ塾に通っているだけでは、学習への意欲は湧きにくいでしょう。

「次のテストで〇点をとる」「〇〇高校に合格する」といった具体的で少し頑張れば達成できる目標を設定することが大切です。

明確なゴールがあることで、日々の学習に目的意識が生まれ、やる気の維持につながります。

原因⑩塾のサポート体制が不十分

塾で成績が上がらない原因として、塾のサポート体制が不十分なことも考えられます。授業以外のサポートがどれだけ手厚いかも、成績を左右するポイントです。

サポートが不十分な例として、以下のような点が挙げられます。

• 欠席した際の振替授業や補習がない
• 進路相談や学習カウンセリングの機会が少ない
• 保護者面談が定期的ではなく、塾での様子がわからない

入塾前に、授業以外のサポート体制についてもしっかりと確認しておきましょう。

塾に行っても成績が上がらない子の特徴5選

塾に通っても成績が伸び悩むお子さんには、いくつかの共通した行動パターンが見られます。お子さんの普段の学習態度と照らし合わせ、当てはまる点がないかを確認することで、成績アップのヒントが見つかるかもしれません。

ここでは、塾に行っても成績が上がらない子の特徴を5つ紹介します。

• 塾の宿題や課題をやっていない
• わからないことをそのままにしてしまう
• 塾の授業に集中できていない
• 勉強した気になって復習をしない
• やらされ感で勉強している

ひとつずつ見ていきましょう。

特徴①塾の宿題や課題をやっていない

塾に行っても成績が上がらない子の特徴1つ目は、塾から出された宿題や課題をやっていないケースです。宿題は、授業で習った内容を定着させ、理解度を確認するために不可欠なものです。

宿題をやらなかったり、答えを丸写ししたりしていると、知識が身につかないまま次の授業に進んでしまいます。提出日に慌ててやるのではなく、計画的に取り組む習慣を身につけることが、成績向上の第一歩です。

特徴②わからないことをそのままにしてしまう

塾に行っても成績が上がらない子の特徴として、わからないことをそのままにしてしまう点も挙げられます。授業中に疑問に思ったことを質問せずに放置すると、わからない部分が雪だるま式に増えていきます。

「質問するのが恥ずかしい」「先生が忙しそう」などの理由で聞きそびれてしまうと、苦手単元が生まれ、学習全体のつまずきの原因になります。

わからないことはその日のうちに解決する意識を持つことが大切です。

特徴③塾の授業に集中できていない

塾に行っても成績が上がらない子の特徴には、塾の授業に集中できていないことも関係します。授業に集中できず、ただ座って板書を写しているだけでは、内容は頭に入りません。

周りの生徒のおしゃべりが気になったり、他のことを考えてしまったりして、先生の重要な説明を聞き逃している可能性があります。

せっかく塾に通っていても、授業への集中力が欠けていては、時間を無駄にしてしまいます。

特徴④勉強した気になって復習をしない

塾に行っても成績が上がらない子の4つ目の特徴は、勉強した気になって復習をしないケースです。塾の授業を聞いて「わかった」と感じ、それで満足してしまうと、知識は定着しません。

人の脳は、一度覚えたことでも時間とともに忘れてしまうため、繰り返し復習することが不可欠です。「わかった」状態から「自分でできる」状態にするためには、授業後に問題演習などを通してアウトプットする習慣が求められます。

特徴⑤やらされ感で勉強している

塾に行っても成績が上がらない子の特徴として、やらされ感で勉強している点も挙げられます。保護者に言われて仕方なく塾に通っているなど、本人の学習意欲が低いと、授業内容を主体的に吸収しようという姿勢になりません。

「何のために勉強するのか」という目的意識がないままでは、学習はつらい作業になってしまいます。お子さん自身が目標を見つけ、前向きな気持ちで勉強に取り組めるような働きかけが必要です。

塾を辞めるのはまだ早い！今すぐできる成績アップの対処法8選

お子さんの成績が上がらないからといって、すぐに塾を辞めるのは早計です。まずはご家庭でできることから試してみましょう。

効果的な対処法を実践することで、状況が改善する可能性があります。ここでは、今すぐできる成績アップの対処法を8つ紹介します。

• まずはお子さんとしっかり話し合う
• テストや宿題の内容を一緒に確認する
• 塾の先生や教室長に相談する
• 家庭学習のスケジュールを立てる
• 集中して勉強できる環境を整える
• 授業の受け方を見直す
• 先生の交代を申し出る
• 授業のコースや回数を見直す

ひとつずつ解説します。

対処法①まずはお子さんとしっかり話し合う

塾を辞めずに成績アップする対処法の1つ目は、まずはお子さんとしっかり話し合うことです。塾で成績が上がらない状況について、一方的に問い詰めるのではなく、お子さんの気持ちや考えを丁寧に聞く姿勢が大切です。

「何に困っているのか」「塾の授業は楽しいか」など、本音を引き出すことで問題の核心が見えてきます。親子で現状を共有し、一緒に解決策を探すことが、お子さんの学習意欲を取り戻す第一歩となります。

対処法②テストや宿題の内容を一緒に確認する

塾を辞めずに成績アップする対処法として、テストや宿題の内容を一緒に確認することも挙げられます。塾で成績が上がらない原因を探るため、お子さんが間違えた問題や、提出した宿題に目を通してみましょう。

単に点数だけを見るのではなく、以下の点を確認することで具体的な対策が見えてきます。

• どの単元でつまずいているか
• どのような間違いが多いか(計算ミス、漢字の間違いなど)
• 宿題の提出状況や完成度

学習内容そのものに関心を持つ姿勢が、お子さんの安心感にもつながります。

対処法③塾の先生や教室長に相談する

塾を辞めずに成績アップする対処法には、塾の先生や教室長に相談する方法もあります。家庭だけで抱え込まず、専門家である塾の先生や教室長に相談しましょう。

塾での授業態度や理解度、友人関係など、家庭では見えないお子さんの様子を教えてもらえます。塾で成績が上がらない現状を正直に伝え、今後の指導方針や家庭でのサポート方法について具体的なアドバイスを求めることが、状況改善への近道です。

対処法④家庭学習のスケジュールを立てる

塾を辞めずに成績アップする対処法の4つ目は、家庭学習のスケジュールを立てることです。塾で成績が上がらない原因が家庭学習の不足にある場合、学習計画の立案が有効です。

お子さんと一緒に、やるべきことを可視化し、無理のない計画を立ててみましょう。

• 学校の宿題
• 塾の宿題・予習
• その日の授業の復習
• 苦手単元のやり直し

平日と休日それぞれのスケジュールを立て、毎日の学習習慣を身につけるサポートをします。

対処法⑤集中して勉強できる環境を整える

集中して勉強できる環境を整えることも、塾を辞めずに成績アップするための対処法のひとつです。塾で成績が上がらないお子さんは、自宅で集中できていない可能性があります。

勉強机の周りに漫画やゲームなど、集中を妨げるものがないか確認しましょう。リビングで学習している場合は、テレビを消したり、家族が静かに過ごしたりする配慮も必要です。

静かで勉強に集中しやすい物理的な環境作りは、保護者にできる大切なサポートです。

対処法⑥授業の受け方を見直す

塾を辞めずに成績アップするための対処法として、授業の受け方を見直すよう促すことも挙げられます。塾で成績が上がらない場合、授業の受け方が受け身になっているかもしれません。

ただ座って聞いているだけでなく、以下のような主体的な姿勢が大切だと伝えましょう。

• わからないことはその場で質問する
• 重要なポイントはメモを取る
• 授業前に軽く予習しておく

授業前の予習や、授業後の復習をセットで行うことで、授業の理解度が格段に上がります。

対処法⑦先生の交代を申し出る

どうしても状況が改善しない場合の成績アップの対処法として、塾の先生の交代を申し出る選択肢もあります。塾で成績が上がらない原因が、先生との相性にあるケースは少なくありません。

お子さんが先生に質問しづらかったり、説明がわかりにくいと感じていたりする場合は、勇気を出して塾に講師の交代を相談してみましょう。

お子さんに合った先生に代わるだけで、学習意欲や理解度が大きく向上する可能性があります。

対処法⑧授業のコースや回数を見直す

塾を辞めずに成績アップするための対処法は、授業のコースや回数を見直すことです。現在のコースがお子さんの学力レベルに合っていない場合、塾で成績が上がらない原因になります。

お子さんの学習状況に合わせ、以下のような指導形式の最適化を検討しましょう。

• 集団指導から個別指導への変更(またはその逆)
• 苦手科目だけの受講に絞る
• 演習量を増やすために授業回数を追加する

塾と相談し、お子さんにとって最も効果的な学習プランを再設計することが成績アップにつながります。

【学年別】塾で成績が上がらないときの特有の原因と対策

塾で成績が上がらない原因や有効な対策は、お子さんの発達段階によって異なります。小学生、中学生、高校生それぞれの学習課題や心理状態に合わせたアプローチをすることが、成績アップへの近道です。

ここでは、学年別の特有の原因と対策を解説します。

• 小学生｜勉強の目的を理解し学習習慣を身につける
• 中学生｜主体的な学習計画と内申点対策を意識する
• 高校生｜大学受験の目標から逆算して学習計画を立てる

ひとつずつ見ていきましょう。

小学生｜勉強の目的を理解し学習習慣を身につける

塾で成績が上がらないときの学年別の原因と対策として、まず小学生の場合は、勉強の目的を理解し、学習習慣を身につけるサポートが不可欠です。

小学生は「なぜ勉強が必要なのか」を実感しにくく、学習習慣が定着していないことが成績不振の主な原因となります。

無理やり勉強させるのではなく、まずは以下のようなサポートから始めましょう。

対策のポイント	具体的なサポート例
学習習慣の定着	「毎日15分は机に向かう」など、短い時間から学習を生活の一部としてルール化する。
目的意識の醸成	「漢字が読めると好きな本がもっと楽しめるよ」など、勉強が日常生活にどうつながるかを具体的に話す。
成功体験を積ませる	簡単な問題から解かせ、「できた！」という達成感を味わわせる。

中学生｜主体的な学習計画と内申点対策を意識する

塾で成績が上がらない中学生には、主体的な学習計画と内申点対策を意識させることが効果的な対策となります。中学生になると、部活動や学校行事で忙しくなり、学習が後回しになりがちです。

また、高校受験における内申点の重要性を理解していないケースも少なくありません。やらされ感の勉強から脱却し、目標達成のために自ら学ぶ姿勢を育むため、以下の点を意識してサポートしましょう。

対策のポイント	具体的なサポート例
目標設定と計画立案	定期テストの目標点数を一緒に決め、達成するための学習計画を自分で立てさせる。
内申点の重要性を伝える	通知表の評価が高校入試にどう影響するかを具体的に説明し、提出物や授業態度の重要性を理解させる。

高校生｜大学受験の目標から逆算して学習計画を立てる

塾で成績が上がらない高校生への対策は、大学受験という明確な目標から逆算して学習計画を立てることです。高校の学習内容は科目数も多く、専門性が高いため、やみくもに勉強しても成果につながりにくくなります。

志望校合格というゴールから、今何をすべきかを逆算して考える習慣を身につけることが重要です。

対策のポイント	具体的なサポート例
長期計画の立案	志望校のレベルと現在の学力との差を把握し、受験までの長期的な学習スケジュールを立てる。
模試の活用	定期的に模試を受け、客観的な実力と苦手分野を把握し、学習計画の修正に役立てる。
科目ごとの優先順位付け	志望校の配点や自身の得意・不得意を考慮し、どの科目に重点的に時間を割くべきかを決めさせる。

お子さんの成績アップのために保護者ができること6選

お子さんの成績アップには、塾の指導だけでなく、ご家庭での適切なサポートが欠かせません。保護者が学習環境やモチベーション維持に関わることで、お子さんのやる気を引き出し、学習効果を最大限に高められます。

ここでは、お子さんの成績アップのために保護者ができることを6つ紹介します。

• 学習の目的と必要性を一緒に考える
• 小さな成功体験を褒めて伸ばす
• 塾との面談を定期的に行う
• 塾任せにせず家庭でも学習状況を把握する
• 学習スケジュール作りをサポートする
• 他の子と比較せずお子さんの頑張りを認める

ひとつずつ見ていきましょう。

できること①学習の目的と必要性を一緒に考える

お子さんの成績アップのために保護者ができることの1つ目は、学習の目的と必要性を一緒に考えることです。「なぜ勉強するの？」という疑問に、お子さん自身の答えを見つけられるようサポートしましょう。

将来の夢や興味があることと勉強を結びつけ、「〇〇になるためにはこの勉強が必要だね」と対話することで、学習へのモチベーションが高まります。

やらされ感ではなく、自分のために学ぶという意識を育むことが大切です。

できること②小さな成功体験を褒めて伸ばす

お子さんの成績アップのために保護者ができることとして、小さな成功体験を褒めて伸ばす点も挙げられます。テストの点数という結果だけでなく「昨日より計算が速くなったね」「宿題を最後までやり遂げたね」など、日々の努力の過程を具体的に褒めましょう。

小さな「できた」の積み重ねが自己肯定感を育み、「やればできる」という自信につながります。結果だけでなくプロセスを認める姿勢がお子さんの学習意欲を支えます。

できること③塾との面談を定期的に行う

お子さんの成績アップのために、塾との面談を定期的に行うことも保護者にできることです。問題が起きてからではなく、「毎月1回」などと決めておくことで、学習の進捗や課題を塾と家庭でスムーズに共有できます。

塾での様子を把握し、連携してサポート体制を築くことで、より効果的な指導につながります。早期に問題を発見し、対応できる点も大きなメリットです。

できること④塾任せにせず家庭でも学習状況を把握する

お子さんの成績アップのために保護者ができることの4つ目は、塾任せにせず家庭でも学習状況を把握する点です。塾から持ち帰ったテキストや小テストに目を通し、どんなことを学んでいるのか、どこでつまずいているのかを把握しましょう。

「今日は何を習ったの？」と声をかけるだけでも、お子さんは関心を持ってもらえていると感じます。塾と家庭の両輪でサポートする意識が、お子さんの学習を支えます。

できること⑤学習スケジュール作りをサポートする

お子さんの成績アップのために、学習スケジュール作りをサポートすることも保護者にできることのひとつです。保護者が一方的に計画を立てるのではなく、お子さんが主体的にスケジュールを立てられるよう手助けしましょう。

やるべきことのリストアップを手伝ったり、無理のない計画になっているか一緒に確認したりします。計画通りに進める習慣が、自律的な学習姿勢を育みます。

できること⑥他の子と比較せずお子さんの頑張りを認める

お子さんの成績アップのために保護者ができることとして、他の子と比較せずお子さんの頑張りを認めることも挙げられます。

「〇〇ちゃんはもっと点数がいいのに」といった比較は、お子さんの自己肯定感を下げ、やる気を削いでしまいます。比べる対象は、他の誰かではなく「過去のお子さん自身」です。

「前のテストより〇点上がったね」と、本人の成長を認め、頑張りを褒めることが、次への意欲につながります。

成績が上がらないときに塾を続けるか辞めるかの判断基準

成績が上がらないからといって、すぐに塾を「辞める」と決断するのは難しいものです。お子さんの状況や成績不振の原因によって、続けるべきか、あるいは思い切って環境を変えるべきかの判断は異なります。

ここでは、塾を続けるか辞めるかの判断基準を3つのケースに分けて解説します。

• すぐに辞めずに改善を試みるべきケース
• 転塾を前向きに検討すべきケース
• 塾を辞めたら成績が上がったというケースもある

ひとつずつ見ていきましょう。

すぐに辞めずに改善を試みるべきケース

成績が上がらないときに、まずは改善を試みるべきケースは、問題の原因が塾のシステム全体ではなく、部分的な調整で解決できる可能性がある場合です。

たとえば、以下のような状況では、すぐに辞めるのではなく、塾に相談して改善策を講じるのがおすすめです。

状況	理由・対処法
入塾してまだ日が浅い(3カ月未満など)	学習の成果が表れるまでには時間がかかるため、もう少し様子を見る。
お子さん自身は塾に通うのを嫌がっていない	学習環境自体に不満がないなら、指導方法の調整で改善する可能性がある。
特定の先生との相性が原因である	先生を交代してもらうことで、問題が解決する場合がある。
現在のコースが学力に合っていない	より基礎的なクラスや、逆に応用クラスに変更することで、授業のミスマッチを解消できる。

転塾を前向きに検討すべきケース

成績が上がらないときに、転塾を前向きに検討すべきなのは、現在の塾の指導方針や環境がお子さんの性格や学力と根本的に合っていない場合です。

改善の努力をしても状況が変わらない場合は、思い切って環境を変える方がいい結果につながる可能性があります。

状況	理由
授業形式(集団か個別か)がお子さんの性格に合っていない	競争が苦手な子が集団塾に、マイペースな子が個別指導塾になじめないなど。
塾全体のレベルがお子さんの学力と大きくかけ離れている	授業についていけない、または簡単すぎて手応えがない。
お子さんが塾に通うこと自体を強く嫌がっている	精神的なストレスが大きく、学習意欲の低下につながっている。
塾のサポート体制に不満がある	面談や進路相談が不十分で、保護者の不安が解消されない。

塾を辞めたら成績が上がったというケースもある

塾で成績が上がらない場合、塾を辞める選択によって成績が上がるケースもあります。塾通いがストレスになっていたり、受け身の学習姿勢が定着してしまっていたりする場合、環境を変えることでお子さんが本来の力を発揮できることがあります。

たとえば、集団指導が合わなかったお子さんが家庭教師に変えたところ、自分のペースで質問できるようになり成績が向上した、という例です。

また、自分で計画を立てて勉強するのが得意なお子さんの場合、塾を辞めて参考書や映像授業で自学自習を進めた方が効率が上がることもあります。

塾を辞める=成績が下がる、と一概に決まっているわけではありません。

次は失敗しない！成績が上がる塾の選び方

一度塾選びで失敗した経験があると、次にどこを選べばいいか慎重になりますよね。お子さんの成績を確実に上げるためには、いくつかのポイントを押さえて塾を選ぶことが重要です。

ここでは、次は失敗しないための、成績が上がる塾の選び方を5つのステップで解説します。

• 塾に通う目的を明確にする
• 授業形式で選ぶ｜個別指導と集団塾
• 体験授業を必ず受ける
• 教室の雰囲気やサポート体制を確認する
• 通いやすさや費用で選ぶ

ひとつずつ見ていきましょう。

選び方①塾に通う目的を明確にする

成績が上がる塾を選ぶための最初のステップは、塾に通う目的を明確にすることです。「なぜ塾に通うのか」という目的によって、選ぶべき塾は大きく異なります。

たとえば、目的には以下のようなものが考えられます。

• 苦手科目を克服したい
• 学校の授業の補習をしてほしい
• 中学、高校、大学受験の対策をしたい
• 学習習慣を身につけたい

目的を具体的にすることで、塾に求める指導内容やサポート体制がクリアになり、ミスマッチを防げます。

選び方②授業形式で選ぶ｜個別指導と集団塾

成績が上がる塾を選ぶには、授業形式がお子さんの性格に合っているかどうかも重要なポイントです。主な授業形式は「個別指導」と「集団塾」の2種類で、それぞれにメリット・デメリットがあります。

授業形式	メリット	デメリット
個別指導	・自分のペースで学べる ・質問しやすい ・苦手分野に特化できる	・費用が高め ・競争意識が芽生えにくい
集団塾	・仲間と切磋琢磨できる ・費用が比較的安い ・受験情報が豊富	・質問しにくい場合がある ・授業についていけない可能性がある

お子さんがどちらの形式でのびのびと学習できるかを、性格や学習状況とあわせて検討しましょう。

選び方③体験授業を必ず受ける

成績が上がる塾を選ぶうえで、体験授業を必ず受けることは欠かせません。パンフレットやウェブサイトの情報だけでは、実際の授業の雰囲気や先生の教え方はわかりません。

お子さん自身が授業を体験することで、「わかりやすい」「楽しい」と感じるかどうかを判断できます。複数の塾の体験授業を受け、授業内容や先生との相性を比較検討することが、失敗しない塾選びの鍵となります。

選び方④教室の雰囲気やサポート体制を確認する

成績が上がる塾を選ぶポイントとして、教室の雰囲気やサポート体制を確認することも挙げられます。お子さんが気持ちよく学習に集中できる環境かどうかは、成績に影響を与える要素です。

体験授業や見学の際には、以下の点もチェックしましょう。

チェック項目	確認するポイント
教室の雰囲気	生徒たちが集中しているか、教室は清潔か
自習室の有無	授業がない日でも利用できるか、席数は十分か
サポート体制	欠席した際のフォローはあるか、定期的な面談や進路相談の機会はあるか

選び方⑤通いやすさや費用で選ぶ

成績が上がる塾を選ぶ最後のポイントは、通いやすさや費用です。いくら良い塾でも、通塾が負担になったり、家計を圧迫したりするようでは長続きしません。

自宅からの距離や交通手段、授業料だけでなく入会金や教材費などを含めたトータルの費用を事前に確認しましょう。

無理なく通い続けられる範囲で、お子さんにとって最も学習効果の高い塾を選ぶことが、成績向上につながります。

【タイプ別】集団塾と個別指導塾どちらが向いている？

塾の授業形式には、主に「集団塾」と「個別指導塾」の2種類があります。どちらがお子さんに合っているかは、性格や学習状況によって異なります。

それぞれの特徴を理解し、お子さんが最も力を発揮できる環境を選ぶことが成績アップにつながります。ここでは、タイプ別に集団塾と個別指導塾のどちらが向いているかを解説します。

• 集団塾が向いている子の特徴
• 個別指導塾が向いている子の特徴

ひとつずつ見ていきましょう。

集団塾が向いている子の特徴

集団塾が向いているのは、競争環境でやる気が出るタイプや、決められたカリキュラムに沿って学習を進められるお子さんです。

周りの生徒と切磋琢磨することで、学習意欲が高まる場合に適しています。集団塾が向いている子の特徴は以下のとおりです。

• 負けず嫌いで競争心がある
• わからないことを自分で質問できる
• 学校の授業にはついていけている
• 仲間と一緒の方がやる気が出る
• 決められたペースで学習を進めるのが得意

上記に当てはまるお子さんは、集団塾の環境で学力を伸ばしやすいでしょう。

個別指導塾が向いている子の特徴

個別指導塾は、自分のペースでじっくり学びたいお子さんや、特定の科目に集中して取り組みたい場合に適しています。

一人ひとりの理解度に合わせて指導が進むため、わからないことをそのままにせず、着実に学力を身につけたいお子さんに向いています。

個別指導塾が向いている子の特徴は以下のとおりです。

• 学校の授業についていけない
• 勉強のやり方から教えてほしい
• 苦手科目を徹底的に対策したい
• 得意科目をさらに伸ばしたい
• 志望校に特化した対策をしたい
• スケジュールを柔軟に調整したい
• 質問するのが苦手・内気な性格
• 学習習慣がまだ身についていない

これらの特徴に当てはまる場合は、個別指導塾を検討するのがおすすめです。

成績を上げたい人におすすめの学習塾

どの塾を選べばいいか迷っている人のために、確かな指導力と実績で成績アップが期待できる学習塾を厳選しました。

集団指導と個別指導、それぞれの形式でおすすめの塾を紹介しますので、お子さんのタイプや目的に合わせて比較検討してみてください。

• おすすめの集団塾3選
• おすすめの個別指導塾3選

それぞれ詳しく見ていきましょう。

おすすめの集団塾3選

成績を上げたい人におすすめの集団塾を3つ紹介します。それぞれに独自の強みや特色があるため、お子さんに合う塾を見つける参考にしてください。

ひとつずつ紹介します。

湘南ゼミナール

湘南ゼミナールは、独自の「QE(Quick Exercise)授業」で、テキストを見ずに挙手と発言を繰り返すライブ感あふれる授業が特徴です。

生徒の思考力を引き出し、主体的に学ぶ姿勢を育みます。仲間と切磋琢磨しながら、授業に積極的に参加して学力を伸ばしたいお子さんにおすすめです。

浜学園

浜学園は、難関中学受験で圧倒的な合格実績を誇る進学塾です。復習を重視した学習システムと、実力に応じたクラス編成で、常に高いレベルを目指せる環境が整っています。

厳しい環境で学力を最大限に高め、トップ校合格を目指したいと考える向上心の高いお子さんにおすすめです。

早稲田塾

早稲田塾は、大学入試に特化し、総合型・学校推薦型選抜(旧AO・推薦入試)で高い実績を持つ現役合格専門塾です。論文指導やプレゼンテーション対策など、独自のプログラムを通して、学力だけでなく人間力も鍛えます。

明確な目標を持ち、志望大学への現役合格を本気で目指す高校生におすすめです。

おすすめの個別指導塾3選

成績を上げたい人におすすめのの個別指導塾を3つ紹介します。苦手克服から受験対策まで、幅広いニーズに対応できる塾を厳選しました。

順に見ていきましょう。

森塾

森塾は「先生1人に生徒2人まで」の個別指導で、一人ひとりの理解度に合わせて丁寧に指導してくれるのが特徴です。「わかる」だけでなく「できる」ようになるまで、とことん付き合ってくれます。

自分のペースでじっくり学びたいお子さんや、集団塾の授業についていけず自信をなくしているお子さんにおすすめです。

キミノスクール

キミノスクールは、対話型の個別指導で「勉強のやり方」から徹底的に指導してくれるオンライン塾です。自習コンサルティングを通して、学習計画の立て方や効率的な勉強法を身につけ、自走できる力を育みます。

勉強しているのに成績が上がらないお子さんや、学習習慣を身につけたいお子さんにおすすめです。

明光義塾

明光義塾は、対話式の個別指導で「わかったつもり」を防ぎ、生徒の考える力を引き出す指導が特徴です。カウンセリングを通して一人ひとりに合わせた学習プランを作成し、目標達成までしっかりサポートしてくれます。

苦手科目を克服したいお子さんや、部活動と勉強を両立させたいお子さんにおすすめです。

塾で成績が上がらないことに関するよくある質問(FAQ)

塾に通っているのに成績が上がらないとき、保護者の方が抱える疑問や不安はさまざまです。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。塾選びや、お子さんとの関わり方で悩んだときの参考にしてください。

まとめ

今回は、塾で成績が上がらない原因と、保護者の方ができる対策について詳しく解説しました。塾で成績が上がらない原因として、以下が考えられます。

• お子さんと塾のレベル・授業形式・先生との相性が合っていない
• お子さんが塾に通うだけで満足し、家庭学習の習慣がついていない
• 勉強のやり方がわからず、明確な目標がない
• 塾のサポート体制が不十分である

成績が上がらないからといって、すぐに塾を辞めるのが最善の策とは限りません。まずはお子さんと話し合い、塾の先生に相談するなど、家庭でできる対策から試してみましょう。

それでも改善が見られない場合は、お子さんの性格や目的に合った塾へ転塾することも前向きな選択肢です。この記事で紹介した塾の選び方やおすすめの塾も参考にして、お子さんが「わかる」「できる」喜びを感じられる学習環境を見つけてあげてください。